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2017年07月08日

下地島空港が米軍の要求を満たしている。沖縄県民は踊らされていないか。

稲田朋美防衛相は、辺野古新基地建設が進んだとしても、それ以外の返還条件が満たされない場合は、普天間飛行場が返還されないと明言したことが波紋を呼んでいる。しかし、これらの報道のあり方には問題提起をしたい。
那覇空港の滑走路は2本になっても飛行機の発着はわずか1・17倍にしかならないのは計算上わかっている、それは翁長知事にしても知事公室長にしても、在沖米軍にしても、日本政府も当然知っていることだ。
県民の反発を考えれば、沖縄を恒久的な基地の島としてみた場合には県民反発が強ければ、そもそも那覇空港を大規模には使えないことは自明であろう。

5日の県議会で、県内の1カ所の民間空港について問われた謝花公室長は、日米両政府は特定の空港を明示していないとした上で「普天間飛行場の滑走路が約2800メートルなので、2700メートルある那覇空港を指しているのではないかと推察している」と述べ、「那覇空港は過密。自衛隊も使用している。観光への悪影響もある。決して認められない」と使用に反対する姿勢を示した。平良昭一氏(おきなわ)の質問に答えた。那覇空港の(米軍による)使用は絶対に認められない」(琉球新報7/6)と報じている。

そこでなぜ、県紙が宮古島の西に位置する下地島空港に触れないのか、発言がなく追求がなかったことに強い疑念を感じている。この言質を取り付けたことは、一つの前進と認めるにしても、明確に語ったことと、あえて語らなかったことの間には断然があり、政治の世界では免罪符のように機能している。それが沖縄への差別と一向に解決できない基地問題の底流にあって、表層の約束に右往左往してきたのがこれまでの教訓ではなかったのだろうか。
米軍との共同使用を前提にした航空自衛隊の専用基地を作るのであれば、今更沖縄のどこかに巨大な滑走路をつくることは難しいのだから、それを満たすのは3000mの滑走路を持つ下地島空港を於いて他にないと考えるのが最もありうべき論理である。それが全く抜け落ちて指摘されないでいるのは、戦後より耐用年数の過ぎた米軍基地を、米軍の下請けになった自衛隊基地に置き換えていくという大きな視点であって、それを見抜けないメディアであれ政治家であるのならば、完全にその資質に欠けている。

沖縄県の人口の90%以上が沖縄本島に集中している。当然のことながら新聞というメディアは最大公約数から経営を成り立たせているのだから、残りの10%にはそれほど力を注がないのが現実的な処世術としては致し方ない。その証左に、沖縄の米軍基地問題の影に隠れて進行する自衛隊基地配備の問題になるとほとんど全国的に知られていないし、沖縄県内でも関心が高いとは言えない。実質的な県内基地移転に等しい状況には警鐘を鳴らしているのであろうか。
私が住んでいる与那国島には昨年陸自の基地ができた。これから宮古島、石垣島、奄美大島へと新基地建設は進もうとしている。軍民共用の那覇空港の過密状態にしても、これまでの航空隊を2倍増させて航空団に昇格したことが背景にある。自衛隊の軍拡が根底にあって、この認識のギャップに無知なのであれば救いようはあるが、無自覚に加担しているのであれば、やはりその質を問わなければならないだろう。それが如実に現れたのが今回の報道であろうと思う。

中央の経済発展を餌にして、地方に迷惑施設を押し付けるといったやり方に対して矛盾が表出し、本当の豊かさとは何かを問われているのが資本主義の末期的な実相である。前時代に針を戻すような、辺境を侵略する帝国主義の焼き直しと同様の横暴を、消極的であれ容認するのであれば、全ての人が離島住民に対して再び軍事的な加害者になりうる可能性を秘めているのである。
現実の軍拡化は今もなお島々で進行し続けている。ここで語られている那覇空港の使用の有無が問題なのではなく、何が語られていないのかが最も問題視されるべきである。沖縄の問題を南西諸島を戦略の拠点として演繹的に俯瞰して見たとき、その視座は広がって、何が語られていないかに目を向けることが同じ設問の裏表になる。米軍基地問題に苦しんだ沖縄は再び騙されようとしているのではないだろうか。裏の下地島空港案が選択肢として用意されていて、すでに維新の会をはじめ利権の亡者が密室で島を売り渡そうとしている。報道のあり方と政治家の蜜月が、市民をないがしろにして沖縄県民の分断を作り始めていることを見落としてはならないと思っている。
















Posted by Moist Chocolat at 20:15│Comments(0)
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