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2017年03月01日

シンポジウム「今こそ辺野古に代わる選択を」

ND(New Diplomacy)新外交イニシアチブは、その名の通り、新しい外交を模索して始まった民間シンクタンクである。今回はNDが主催する「今こそ 辺野古に代わる 選択を」と題されたシンポジウムに参加してきた。会場は立ち見が出るほどの満員御礼であった。

自治体外交権という概念があるが、国同士の交渉が必ずしも良い方向に進むとは限らない。その不幸な一例が沖縄に凝縮されている。対米追従に固執した日本中枢と、他国への軍事力の行使を正義の警察官だと勘違いしているアメリカ。この二つの国もまた思考停止に陥った不幸な一例である。

日本国内の認識では、沖縄にある米軍基地を何処かに移転することで解決を図ろうとしているが、これでは基地負担のツケ回しをしているだけで永遠に解決には至らない。事務局長の猿田佐世氏は「変わらなくてはいけないのは東京。日本政府は沖縄の声をちっとも聞かないので、アメリカに行ってワシントンに伝えていきたい」と語り、途中で嗚咽する場面もあった。

まず、日本においても米国においても、沖縄に海兵隊がいなくてはならない理由を論理的に説明することが出来る人間はワシントンにも日本にもいないという認識が必要である。
屋良朝博氏は、米軍再編で在沖海兵隊8000名が2000名まで縮小し、最終的に残る第31海兵遠征隊(31MEU)は半年以上はローテーションを繰り返し沖縄に滞在していない、そして沖縄の基地の7割は海兵隊の基地である事を指摘した。この航空機も輸送機も持たない31MEUは、佐世保の強襲揚陸艦に乗って移動するのであるから沖縄にいる必然性は無い。これから日米が協議するべきは海兵隊基地の返還であり、米軍が行っている人道援助・災害救援(HA/DR ハーダー)に自衛隊をどのようにジョイントさせるかではないかと提言した。また柳澤協二氏はこの31MEUの部隊をもって抑止力と呼ぶのは褒めすぎだろうとコメントした。

日本外交を機能不全にしている、その驚くほど狭いチャンネルがジャパンハンドラーと呼ばれる窓口であり、このボトルネックが両国の関係を狂わせている。NDでは両政府にとってall-winになれる政策提言を第三の立場から提案する事が出来るシンクタンクを目指す。沖縄においては、駐留する海兵隊の運用を変えることを日米両政府に納得させ、思考のパラダイムの転換を提唱している。
まずは正しい知識と世論形成を図る必要が迫られている。こうしたシンポジウムが開催されるということは、ある意味暗闇に差し込んだ光でもある。日本を代表する稀有な識者が参集し、沖縄を舞台に日本と米国との関係を転換する戦略的な提言を行った。次はNDのシンポジウムを日本各地で行う必要があるのは言うまでもないことだろう。問われているのは日本全体の問題であって、沖縄にこれ以上基地負担を負わせることは許されない。
















Posted by Moist Chocolat at 17:59│Comments(0)
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