てぃーだブログ › オーナーシェフのブログ › 与那国島の周回道路にラウンドアップを撒く行政に化学物質過敏症の視点はない

2019年11月22日

与那国島の周回道路にラウンドアップを撒く行政に化学物質過敏症の視点はない

NNNドキュメント「化学物質過敏症~私たちは逃げるしかないのですか~」

https://www.dailymotion.com/video/x73bm7o

先日、与那国島の周回道路にラウンドアップを撒くとのことで投稿したところたくさんの人がシェアしてくれてコメントをいただきました。
与那国町役場に行ってまちづくり課と交渉して、一番気になった点が科学部質過敏症への視点でした。
私が与那国町で質問したのが、島内にいる化学部質過敏症過敏症患者を把握してますかという点と、与那国島を訪れる観光客にラウンドアップを散布することを告知しないと命の危険に関わる事態がありますと伝えましたが「国は安全と言っているの一点張りで」明確な答えはもらえませんでした。
農薬に関する関心は程度の差こそあれ、必要悪に考えているのが一般認識のボトムだと思っています。
そこまでの認識ができてきたのも、長い時間がかかって被害者が声を上げ続けた結果、負の累積が生み出した中での一つの救済なのです。
今回知って欲しい「化学物質過敏症」を追ったこのドキュメンタリーもぜひ広まって欲しいと思っています。

農薬の危険性は散布する際に吸い込んだり肌がただれたりする直接被害よりも、農作物を経由して体内に取り込まれることで健康被害が出ることが、語弊を恐れず言えば、心配の中心にあるのだと思います。
だけど農薬に関しては当事者ではない限り、ある程度の選択で回避できる可能性があって、言い換えれば能動的な行動で被害を避け、コントロールできる自由が個人に残されています。
一方、「化学物質過敏症」はかなりの部分、環境に左右されてしまう受動的な側面が強く、ラウンドアップ(グリホサート)が撒かれた農地を能動的に避けることはできるが、公共の道路に撒かれてしまっては移動することができなくなり、ライフラインである道路の移動自体が断たれることを意味します。
平成27年度の環境省の「環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務報告書」によれば人口の7.5%がこの予備軍とされています。厚生省は平成21年にようやく化学物質過敏症を病名リストに追加し、カルテに記載できる病名として認めました。

例えば花粉症というのは認識が始まったのが40年ほど前で、今では誰もが知っていて国民病のように爆発的に増えてしまっているが、化学物質過敏症が同じような道を辿らないと誰が断言できるでしょうか。
むしろ個々人の差はあれ許容量を超えて発症するプロセスは、コップに水が限界まで溜まった後はあふれ続けるほかない現象に似ていると言われています。
一度溜まりきってしまえば、微量な因子に反応して症状が出続けてしまうのがこれらの病状に共通している。
花粉症について化学物質との因果関係を付け加えると、都市化が進み車の排気ガスに含まれる化学物質が花粉アレルギー反応の閾値を下げて、反応を増加するとの影響が指摘されていて、交通量の多い幹線道路ぞいの住民の花粉症の発生率が高いことが報告されています。

私たちはあまりに多くの化学物質をこれまでの生活で世界中で自然界に放出してきました。それらはここ数十年で現代病という形で次々と顕在化してきたし、これからも起こりうると考えて行動しなければいけないのではないでしょうか。
公害は過去のものではなく現在進行形で、より生物濃縮を繰り返しながら反応の閾値を下げながら容易に発症しやすくなってきていて、その最大の被害者は負の遺産を受け取った子供たちです。
香害だけではない、グリホサートもネオニコチノイドもマイクロプラスチックも関連する問題を数え上げればきりがない。もはや科学的に証明できないという企業と政府の見解を待つまでもなく、複合汚染は始まっているのではないでしょうか。
化学物質過敏症はおそらく複合汚染の極まった最終的な形態ではないかと思っています。一度発症してしまえば、生活も住まいも全て人権が、個人的な行動にかかわらず受動的に奪われるという避けがたい問題があります。
私はこの度、自分の周りに起こったラウンドアップの問題から、化学物質全般に目を向けることによって、「化学物質過敏症」発症者が全ての人類に警告している「炭鉱のカナリア」の声なのかもしれないと、どうしても考えてしまうのです。
_________________________________________________

与那国町役場まちづくり課に行って質問と要請をしてきました。役場の入り口で外間町長とすれ違ったのでラウンドアップのことを伝えました。彼は全く知らないようです。音声のみですが、YouTubeにアップしておきました。
与那国町まちづくり課 ラウンドアップ交渉 2019/11/18 音声のみ
https://www.youtube.com/watch?v=SerzsZ15VEE&t=351s



与那国島の周回道路にラウンドアップを撒く行政に化学物質過敏症の視点はない






Posted by Moist Chocolat at 22:10│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。