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2016年11月10日

日本のビーチクリーンは黒潮が出会う最西端の与那国島から

先日は2日にわたり、ビーチクリーン兼漂着物調査に参加してきました。
与那国島に漂着するゴミを木材(自然物・人工木)、プラスチック、ゴム、ペットボトル、ブイ、漁網、金属、発泡スチロール、ガラス(電球・ビンなど)...に仕分けして重量と容量を測定します。
毎回注目しているのが、ペットボトルに残っているラベルやバーコードなどで判別するデータです。
今回は以下の通りになりました。
日本 21本
中国 65本
ベトナム 19本
韓国 7本
台湾 5本
マレーシア 3本
インドネシア 2本
オーストラリア 1本
シンガポール 1本
タイ 1本
スイス 1本(興味深い!)

黒潮が北上して最初に出会う日本最西端の与那国島は、国内や島内の影響が最も出にくいモニタリングには最適の島です。
今回の観測では、いつも島の北側に漂着物が多いのですが、今回はその逆で南側に漂着物が多い状況でした。
おそらく9月19日台風16号がもたらした風速66mの後半の風向きが(体感的には昨年の風速81mより強烈でした)南寄りであったため、南側にゴミを押し寄せ、北側のゴミを海に流し去った結果ではないかと思います。
全体的に漂着ゴミの量は少なかったのですが、誰かが拾って減ったわけではないので、いつもより少ない北側の漂着ゴミを見た最初の感想は「あぁ〜ここで拾いきれなかったゴミがまた世界に流れ出してしまった」というなんとも切ない思いでいます。
今年はゴミが少なくて海岸が綺麗だねと人は言うかもしれませんが、そう感じるのとは別に、人間が作り出したゴミは海流に乗って誰が拾うまで漂流を続けています。
特にプラスチックは自然消滅することなく、誤食した海洋生物への影響が心配されます。
ペットボトルの調査から国別のデータが出やすい与那国島ですが、日本が出したゴミは逆に海流に乗って別の国にたどり着く長い旅を続けています。
与那国島の漂着物調査の結果は中国からのゴミが多かったのですが、環太平洋の視点で見れば日本からの漂着ゴミがダントツで多い地点があるのだろうと思います。
国を超えた漂着ゴミの問題は自国の問題に留まらず、国際的な課題として日本の立ち位置を捉えるきっかけになります。国境を越えて誰かが捨てたゴミを拾う小さな一歩を踏み出す行動が、正にここから世界へつながる最初のスタートになるのだと願って止みません。














Posted by Moist Chocolat at 22:07│Comments(0)
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