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2014年03月17日

農について語源を遡りつつ

「農」という漢字の語源は 道具を使って自然を拓き土を耕すことを意味しています。原始、人が狩猟採集によって食料を得ていた時代から 、農によって、狩猟採集生活から定住型に移行しました。
日々の食料を採取し、収奪可能な範囲まで採って次の場所に移る、恩恵に預かることから土地に根ざし生産する側に立つ、考えるサルは自然に生きる事の意味を考えるサルへ、根源的な思想の転換的意味を含んでいます。
その場所にとどまって土と向き合い、種をまき、苗を育てて食料を得るようになり「農」によってつくられたコミュニティ(共同体)は文化を生み出します。「知恵はコミュニティーから生まれる」という言葉があります。
つまり「農業」は人の暮らしを守り維持するために つねに持続可能である文化を内包していると思うのです。
Cultureの語源は住む、育むという意味の言葉からきています。そして土を耕す、精神を育むという意味のCulturaが派生し、農業、Agriculture(アグリカルチャー)も同じ語源になります。
農業を正しく訳すならアグリインダストリーですが、アグリはカルチャーです。持続可能な社会を維持する基盤として、農業が文化から文明へと昇華するのが歴史の流れではないでしょうか。
人間は食べないと生きていけないという宿業を背負って生きています、そして考えざるを得ないのが人間です。
植物はもの言わない存在であるというのは思い込みです。コミュニケーションは可能です。
僕が在来種、固定種、有機、自然農、自家採種にこだわるのは、僕と野菜との間に交わした約束があるからです。
私はあなたを食べます。
だけど次の世代へのあなたたちの命は種を採って撒きます、子々孫々引き継ぐことを約束します。
その約束の元に命をいただいております。
だけどこの地球に生を受けてやりたいことがあるから力を貸してください。
その約束の元に命をいただいております。
人が土に仕える事を仕事と書きます。
これだけ食が農が乱れている今だから、日本に仕事は溢れています。
破壊から再生への仕事。
私のわがまま、生かしていただきありがとうございます。



Posted by Moist Chocolat at 02:45│Comments(0)
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